■Fate/stay night■ 2004・01発売;Windows
 


 久々に寝食忘れてゲーム進めたなぁ。3本あるシナリオはどれも中身が違っていて、
少しずつ解明される謎にEnterキーを押す手が止まりませんでした。
 セイバー・凛ルートはどちらかというとキャラ萌えで引っ張られて、桜ルートは中身で
引きが強かった。

 画面をゆらしたり、扉の開け閉めを表現したりと変わった演出が多くて新鮮でした。
立ち絵がちょこちょこと動いたり、視線移動を強調したり。
 SEも細々と入っていて、効果とあわさると臨場感が違いました。
 扉の開け閉めは暗転としても使われていて、これには感心したもんです。

 ゲームを立ち上げたときはロードボタンに、ロードするときは最新セーブデータに
自動的にカーソルが移動するのが便利でよかった。
 細かいところだけど快適にプレイできました。気配りひとつでだいぶ遊びやすくなりますね。

 
 主人公である士郎が私の中では希薄です。
 ちゃんとしゃべって考えて、自分の生き方行動している「1キャラクタ」にかわりは
ないのですが、かんじんな部分は主人公の心の中で決着と、独白で解決されてしまう
せいで、どうも気持ちが乗らないのですよ。
 主人公=プレイヤーでない場合、もちっと行動とセリフでもって主人公を見せて
もらえると、テンション上がるんじゃないかと。 
 最初のうちは甘いこと言ってんなーと、ややイラついたものの、理想に向かって
完走してしまった姿は良い。男の子ってかんじだ。めざぜヴァッシュ・ザ・スタンピード。
極めれば道よの。
 人の身でありながら人間台風みたいに行動するものだから、死ぬのも納得いう
ぐらい死にかけてますな。
彼岸マスターの称号を掲げられるエロゲ主人公ですよね(笑)
 あとご飯、ご飯マスター。このゲームやってるとご飯を食べたくなります。
麻婆とか(笑) 朝から手のこんだ料理をさくっと作ってしまうので、嫁に来い! と
何度も思った。少ない給料でもやりくりしてくれそう(笑)

 
 セイバーはもう少し少女らしいところと王様らしいところの差が明確だと良かった
なぁ。少女らしさのほうが前に出てました。
 士郎との初対面シーンので受けた凛々しさよりも、思っていたよりもやわらかい印象
だったのです。
 個人的には凛とした姿勢に付随する、決定的にかっこいい決めゼリフとかイベントが
あると良かったなぁと。
 デザインは一番好きです。Fateに興味を持ったのは彼女の絵を見てからなのでした。
ブラックセイバーのデザインもよくて、目隠し装備状態がとくにツボ。
 この黒化によって堕ちたるヒロインになるのだけど、その禍々しさってのが外見だけでしか
表現されていないのはもったいなかった。汚れない魂の美しさっていうのがブラックになる
前に印象づけられていないので、堕ちたという気がしないんです。
 魂が堕ちていないのであれば、ブラック化とはデザインと主が変わっただけになって
しまう。バーサーカーも最後の理性は残していたし、初めから魂の堕落を書くつもりは
なかったのですかねー。む。
 イメージカラーは青というより紺なかんじ。私服も髪型も大好きです。

 美しいエンディングでしたな。
 綺麗で美しすぎて、スコーンと何もない蒼穹を見上げているような読後感でもって、
逆に何も言うことがありません。
 私の中では士郎とセイバーについては決着がついてしまっている。
今のところは、ですけど。


 桜鏖の唄。桜ルートをプレイ中、始終ぶるぶると怖さでふるえ、これでいいのかと
もやもやしてました。
 相手からの丸投げの依存ってのは「頼られている」「信頼されている」というレベル
ではなく、もはや呪いであり呪縛だ。
 彼女は江湖をまたにかけた壮絶な姉妹喧嘩を披露してくれたわけですが、私は
喧嘩理由はあんな単純なことでいいのだと思いました。
 世界を辛いと感じている当人にとっては「それがすべて」であるものだし、人の暗部は
つきつめれば浅くて幼いものなんじゃないかと思うわけで、それは他人から見れば
なんてことのないものであると。
 だからこそ人は暗部に嫌悪感を抱くんじゃないでしょうか。
 桜の持つコンプレックスには納得できたのです。リアルだと。
 
 私は「こういう人もいるわな」と納得してしまったため、嫌いというよりも「しゃんとしろ。
自分の足でたて!」と檄を飛ばしたくなったよ。
 桜ルートでの士郎とライダーの会話は、「それ桜に言ってやれよ」と何度思った
ことか(笑) このシナリオ、キャラ達はみなぼんやりしている。

 桜が士郎の理想を捨てさせるほどの「運命の女」であると、私が認識できなかった
のが難点でした。心の闇部分が幼いのはかまわんが、プレイヤーが桜に声援を
送りたくなるような「がんばり」イベントがほしかった。
それがないのでEDでは、なんでこの女が笑ってんだよ……ということに。
 EDはそんな気持ち半分、よかったねと思う気持ち半分でした。
 
 黒い影のデザインとか初登場あたりの一瞬映るところとか、こと影に関するものは
どれも良い。禍々しいというよりも、理解できないものへの恐怖といったところです。
 このあたりの演出はどれも気に入ってます。

 お話的には桜ルートが「先が気になる度」No1でした。


 凛なんですけども……
 このキャラクタは初めから完成されている。他のメインキャラは物語が進むにつれ
変化成長してゆくのですが、彼女だけは最初から最後まで変わりません。
 悪くいえば成長しない。そのせいか話にからんでくるだけで、話の中心にはならない
んですよね。都合のいい役割になっちゃってるんじゃないかなぁ。
 彼女は天才だの優等生だのと言われておりますが、それを維持するための努力
というのを確実にしてるわけです。そこをさらっと流しているのはちょっともったい
ないかな。
 まぁ出ばりすぎです彼女。もう少し主人公に道譲れ(笑)

  彼女だけえちしーんが1回しかないのだけど、なんだか納得できる。
 酔えないんじゃないかな、この娘は。あと恥ずかしがり屋。
いい雰囲気になっても自分から壊すようなことを言うので、「キスしちゃった」の件
では内心、「キャラ違うわ私。ちきしょう」とか思ってそう(笑) 
 魔術としてではどんなエロワードも口にできるけど、それが自分のことになると
ダメなかんじ。
 
 酔えないという体質とこれがあいまって、一般的な「いちゃこき」は凛からはできない。
皮肉の言い合いとかから、仲の良さとか愛情の深さが見てとれるんじゃないかと。
 彼女を悪い意味ではなく泣かせた男が勝ちだな、と思います(笑)

 外見とはうらはらに、内面的には女性くささを感じさせない娘さんなんだよね。
エロゲ女性キャラにもかかわらず、萌えよりも燃えのが似合うんだよ。
 
アーチャーと一緒にスタボロで血にまみれながらも、拳握って
仁王立ちして敵に啖呵きってほしい。
なぜそんなシーンがないのかと!

 彼女をこんなふうに受け取っているため、凛がらみははカップルというよりコンビな
印象です。弓しかり士郎しかり。
 えろーすもいいけどそれよりも普通の会話とか皮肉の言い合い・信頼具合に、
激しく萌え(と燃え)を感じてしまいます。
 弓凛に限っていえば、いちゃこいた生ぬるい関係じゃ浅すぎるんですよ(by小川一水さん)。


 神父=麻婆というイヤな構図を植えつけられちまった。
 麻婆豆腐を食す言峰イベントまでは、シリアス一辺倒のキャラだったので不意打ち
でした。やるな、TYPE-MOON。
 辛いマーボーといえばお台場にある「中国名菜陳麻婆豆腐」というお店がヤバイです。
これであなたも神父になれる! っつう辛さで、汗流しながら食べることになります。
口の中が痛いくらい辛いのですがおいしいんだよね……つらいとわかっていても
次のレンゲを口に運んじゃうんだよ。
 ちなみに麻婆専門店。コミケ帰りに寄って神父ごっこを楽しんでみてください。


 サーヴァントはどいつもステキっぷり高くてみんな好き。
 本編やって株急上昇したのはランサーとバーサーカーです。ライダーにはもちっと
くだけた会話イベントがほしかった。
 ランサーの凛好き好きっぷりが見ていて面白い。
ランサーとアーチャーのマスターに関する対話とか見てみたいなあ。
 剣凛ルートでやたらといかした死に様を見せてくれる男だ。
 MYキャストは神奈延年さん。熱気バサラなかんじでセリフが脳内再生されとります。

 なぜだか目が離せないのはアーチャーで、作中悔しいぐらいにかっこいいのだが、
単体で好きかと問われると即答できません。燃えて萌えれるがな。
 
 セイバールートのバーサーカー戦突入前の凛との会話が一番こたえたよ。
あれは絶句するくらいかっこいい。勘弁してくれ……と、モニタの前で崩れ落ち
ました(アホ)
 あの性格になったのは死後のようなので、死んでからもぐれることができるという
証明をした男
(笑)

 士郎のなれの果てがアーチャーだというネタなんですが、起源を同じくする別の人間
だと感じてしまいます。士郎が生きているうちではなく、死んでから変わった性格だから
なのかな。ぐれたとはいえやっぱり士郎なわけだが、そこを必死に否定しようとしている
ようにも見える。
 私の中ではアーチャーは、つねに眉根をよせているキャラです。
 自分でもどうしたらいいのかわからない、困惑した表情だなぁと。
そして何かに耐えているようにも見えて。OPアニメのアーチャーの表情がやたら印象的で、
ずっとあのイメージを引きずっています。
 この人なんでこんな顔してんのかなーと思っていたら、本編やって「ああ、こいつは泣き
たかったのにずっと泣けなかったんだと」と、そんなふうに感じてしまったのでした。
  
 せつなないなぁ、と。答えを手にしても忘れてしまい、世界が滅ぶまで心を嘖まれ闘い
続けねばないらない。そのくせあんな笑顔を見せやがる。
 あの笑顔を見ると、やっぱり衛宮士郎なんだとホっとしました。絵がちゃんと士郎に似て
いたからではなくて、心から出た笑顔だと、そう思えたからかもしれません。
 起源を別にする違う人間だと感じていたはずなんですけどね(笑)
 凛ルートで得た解答、摩耗させるなよブラザー。


 各ルートによって活躍するサーヴァントが違っていて、どのサーヴァントも見せ場が
ありましたな。セイバールートをやったとき、キャスターの扱いのひどさに笑ってしまった
ものですから。その後凛ルートでは萌え殺されそうになりましたが(笑) 

 戦闘はどれもステキでした。サーヴァント同士のバトルの方が燃えたかな。
セイバーvsライダーとかランサーvsアーチャーとか。宝具のぶつかり合いっちゅうのは
盛り上がります。
 士郎がらみではギルvs士郎と桜ルートでの黒バーサーカーvs士郎。なによりも
アーチャーと士郎の闘いが燃えでした。
 ノベルゲーの1枚絵というのはカメラがよっている絵がほとんどなのですけど、
Fateはカメラを引いた絵を使うことがあって、それらの絵がどれも良い。
 戦闘CGとして使われることが多かったけれど、ロビーの階段に立つギルガメッシュ
なんかもよかった。

 音楽は悪くはないものの、繰り返し聴いていたいと思えるものはなく。
ただ攻略期間中はモニターの前に座っていなくとも、主題歌曲が頭の中をぐるぐると
回っていましたとさ(笑)

 これだけコンビやらカプやらで萌えられるのに、ことえろーす本番に関しては
萌えを感じなかったのですよ。
 士郎と凛の、開始前会話やその雰囲気には萌えましたが。うへ。
 原画の武内さんの絵がそうなのか、エロ有女性キャラの乳の大きさが漫画でなくて、
そこんところはちょっと萌え。もちっと重力を感じられるとえろーだと思います。

 遊撃手に狙撃された気分だったのがキャスターと葛木先生です。
こんなに萌え狂わされようとは……
 短いやりとりなのですが、そこにつまった想いの密度(蜜度?)の高いこと
高いこと。柳洞寺での婚約者ごっこが見たかったです。
 たぶん二人して縁側で無言、とかなんだろうけど(笑)
 個人的にえろーすすっとばしが悔やまれます。先生質問です! 優しかったん
ですか荒々しかったんですか。 ←全国の葛キャス者の疑問
 シチュ的には屈指のエロ所候補だと思うんですけどね。
 葛木先生は設定放り投げ状態のキャラになっているので、補完をしていただき
たいところです。


 デモンベインみたいにテンション跳ね上がる勢いは出なかったものの、燃え分
はがっちり補充できました。
 エロ部分はそう強くないうえ、バトル描写とか生き様だとかの燃え部分の方が
優先順位が高く、カプ萌え所が多くて乙女萌え度も高いため、エロゲというより
18禁ゲームと言いたいところ。
 クリアするのに時間がかかるのですが、中だるみも気になりませんでした。
もう少し短いほうがいいんですけどね。
 メッセージウィンドウタイプのゲームも面白いとおっしゃっていたので、次作はぜひ
これでいっていただきたく。このタイプなら独白は多用できめぇ(笑)


 以上Fate総合感想でした。
 書き残しがありそうだが今のところ思いつかないのでUP。
 (2004/02/18掲載。03/02改訂)

※このページに直接飛んでくるかたが多いようなのですが、サイトではFate漫画や絵
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