|
やられた。
EDを見終わったあと、そう頭を抱える自分がいた。
やけくそです。好きにしろ。あんたのやりたいようにやれ。
そう思いながら、ニヤニヤとしている私がひとり。
「花と太陽と雨と」
シルバー事件を創ったグラスホッパーマニュファクチュア(以下GHM)の、PS2ソフト第一弾。
前作「シルバー事件」に打ちのめされてからというもの、発売まで楽しみにしていました。
発売日にハードと一緒に買うと誓ったものの、購入は3ヵ月後という、ファンとしてはいただけない
行為を取ってしまいましたが、遅ればせながらクリア。
製作発表当時、「花と太陽と雨と」(以下FSR)がシルバーの続編であるという、明確な
発表はなかったかと記憶しているのですが。「キャスト」に前作の幻影が見えるという、
その程度だったと。
そんなわけで、私にとってはシルバーの続編であるという意識は低く、キャラが微妙にリンクして
いるぐらいなのだと思ってプレイを開始!
主人公モンドスミオ(プレイヤーキャラクタ)は探し屋です。ホテル「Flower,Sun,and Rain」の
支配人に依頼され、リゾート地ロスパス島へやってきます。
実際プレイを開始したところ、前作のように牙むき出しで掴みかかってくることはなく、
湿度の低い楽園がひろがっていました。
こんな雰囲気も作れるんだと、そう感じもしましたが、キャラクタのセリフ・シナリオは
正真正銘のGHMもの。最高にキています。クスリ打って書いてんじゃねーのかってくらい。
毎日同じ1日を送る、そんな不可思議な世界もステキです。のんびりしつつも電波をも楽しむ、
そんな世界が広がっていたのでした。
しかし、あるシナリオを境に世界は変貌します。
リクエスト11。
悪夢のようなシナリオです。このシナリオで主人公は死亡します。
予期せぬ主役交代。たまにある展開ですが、このゲームを手にしているプレイヤーは、みな大きな
衝撃を受けたことでしょう。
そして主役の死から一転、この世界はプレイヤーに牙をむき、これでもかこれでもかと
襲いかかってきたのです。
「騙された・・・」
そう思った瞬間でした。前半の口当たりの良さは嘘です。この作品は人の皮をかぶった獣なのです。
後半楽園は様子を変え、無機質なコンクリートで覆われた、乾いた空間が広がります。
そう、まるで24区のように。
というわけで、私が抱いた感想の一番のところは「ダマサレた!」なのです(笑)
ファミ通のクロレビで殿堂入りしたそうですが、これってレビュアーが前半しかやってないからなんじゃ
ないの?って思いましたよ(笑)
前半を見ると、なんともファミ通編集者が好きそうなテイストなんですよね。
前作はしょっぱなから直球勝負でしたが、今回はカーブを覚えて騙しのテクニックを手に入れ、
点数を稼いでみたというか。
あ、別に悪口じゃないんです。
口当たりの良いふりして、とんでもない毒をふりまいているあたりも、GHMだなぁという気にさせて
もらっちゃったのです。
このゲームは前作シルバー事件をプレイしていない人は、お断りなんじゃないかと感じています。
前半は問答無用で楽しめるのですが、後半を楽しむために前作の知識があるのと無いのとでは、
かーなーり違うかと。
シルバーの続編だとは考えていなかった私ですが、これ続編です(笑)
だってアナタ、小ナカテガワみたいなのが出てきたと思ったら、師匠とか言いやがりますよ。
操作キャラになりますしね。
前作をプレイしている人にとってはその時点で、ぶっとい注射器で薬をブスーっと刺されたよう
なもんですよ。
トキオシナリオで突然流れる「Kill the Past」にも、電撃に撃たれたようになっちゃったし。
前半のミニアイテム的に出てくるシルバー単語と違い、後半は作品の核として語られてしまう
のだから、こりゃもう前作をやっている人向けだろうと。
私なんかプレイ途中で、シルバー事件の方をやりたくなったくらいですから(笑)
銀の目はどこから来たのか、モンドの正体、モリシマトキオその後、サンダンス・・・
前作をプレイしている人にとっては、衝撃の事実が多いのです。
だいたいモンドスミオ=コダイスミオなんて、ちーっとも気がつきませんでした!(アホ)
うう・・・ダマされた。
「何か人がしゃべっているような不明瞭な音」が聞こえることにも、納得がいくのですよ。
スミオは耳が聞こえないのです。会話は読唇術によって聞き取っているという設定だったはず。
だから不明瞭な音がするんですよね。
もーこれにはやられました。拍手です。
ただ疑問も残るんですけどね。朝電話を取るシーンはなぜに取れますか?(笑)
なぜゲームの後半が暴力的なのかというと、他人にわかるように描かれていないんですわ。
カンジとしてはなんですか?エヴァンゲリオン映画版みたいなやつ??
思わせぶりな言葉が羅列されており、独特の雰囲気に飲み込まれてしまうのですが、いったい何を
言いたいのかさっぱりわからんとゆーアレです。
「これを理解できないのは、自分がバカだからなのか?」という気にさせてくれます。
解決編が出た暁には、みんなが納得するような綺麗な解答を用意しているのかもしれません。
本当に自分が馬鹿なだけかもしれないし、状況を書き出して追えばわかるのかもしれません。
だがそんなことをやるプレイヤーはおらん!(笑)
そしてモンド=コダイという方式が成り立つと、シルバー経験者でも首を傾げる矛盾が出てくるのです。
謎が謎として機能する前に、その提示がいささか暴力的すぎてプレイヤーを引かせてしまう。
そのせいか、好き勝手に創ってんなーという印象のぬぐえない作品になっている気がします。
しかしながらシルバー経験者の私は、この暴力風味もシルバー続編なら許してしまう。
シルバー事件って作品じたいが暴力的雰囲気を持っているのです。閉塞感があって、プレイヤーに
親切な説明がないという。
その雰囲気が楽しめて、またちょっと違うものも楽しめたんだから、まぁいいかとゆー気になって
しまいました。本当はこれじゃダメなんだろうけど(^^;)
でも今回はちょっと暴走気味ですなぁ。
プラシーボみたいな役割を、トリコパートが担当するのかと思ったけれど違ったし。
音楽はたいへんすばらしく、ゲームをプレイしていない方にもおすすめできます。
ゲームやアニメのサントラは、プレイしていない人にとっては風景を見いだしにくいので、
あまりおすすめできないのだけど、これはイケます。
間違って環境音楽のところに配置されちゃっているぐらいの曲です(笑)
既存曲のアレンジなのですが、どれもすばらしい!
ただ作中使用曲がすべて入っていないのが難点ですが(^^;)
コンセプトがリラクゼーションらしく、それに沿わない曲ははじかれているのかな。残念すぎますー。
キャラクタはポリゴンで描かれているのですが、このモデリングが気に入っています。
手足大きめに造られていて、そのキャラクタがする動作がいちいち好みです。
とくに走る動作が好きなので、私は駆けずりまわるのが苦になりませんでした。
かっこよく見えるんだよ、これが(笑)
コッシーとかどうしようかと思った。好みすぎます(アホ)
シルバー事件の時もそうだったのですが、画面のレイアウトがいちいちかっこよいのです。
カメラワークも好きなのですが、画面右に線のアニメがあるんですよね。これが好きなんですよ。
煩わしいっちゃあ煩わしいのかもしれませんが、私にとってはそれ以上にかっこよかったのでした。
あとOPにはしびれたねぇ。音楽とぴったりマッチしています。
各話タイトルの表示と、FSRのロゴがでるアニメにもヤラレた。
もののみごとにツボをつかれまくってノックアウトです。
とりとめもなくだーらだーらと書き綴ってみましたが、一言でいうとやはり「ダマサレ」ゲームです。
この作品に対して悪い意味で「騙された」という人もいるかと思いますが、私はどちらかというと
良い意味で「騙され」ました。気持ちよく裏切られた部分も多いのです。
前作未経験者でも素敵でしたとゆー方もいらっしゃいますし、「騙され」てみたい方はぜひどうぞ(笑)
なにが一番ダマサレたって、最後のオチです。
ええわかってます。合い言葉ですから。これがないと終わりません。
いいですか?いきますよ?はい
「5万貸して」
・・・・これほどまでに、娘のいるオッサンが人気のあるゲームもないだろうな・・・・
開発のGHMへGO
|