エマ第2話「贈り物」感想。
2話にてエマとウィリアムの階級差が描かれるわけですが、個人的には
エマ側の描写が足りてないかと。
ウィリアム側の上流階級の描写はいい。おつりも受け取らず買い物をして
しまうところとか、気軽に傘を送ったりとか。社交界での描写以外でも生活が
わかるのだけど、エマ側の描写は買い物ぐらいしかない。
(ケリーさんに紅茶を淹れるのはエマ側の描写というよりも、当時の生活描写と
受け取っています。ここは気に入っている)
二人の間にある溝はとても深いというのを、エマのセリフではなく描写でも
納得させてほしかった。
良かったのは押せ押せのウィリアムが身を引くところ。頓着しないのんびり目
の性格が、図らずもエマのペースにあってしまったというところがキモだと思うので、
ここが出ていたのはいいかな。しかし回りの男が自分のペースでエマへからの
返事を求める描写が少ないのが、これまた難点ではあるのだが。
「ラブレターどっちゃり」はやはり描いておくべきだったのかも。
エレノアの顔は好きなタイプです。アニメではだいぶつり目ちゃんになって
いましたが、それもいい。無邪気で危なっかしいのだけど、一生懸命になって
しまうところがいいんだよね。
話数の限られたアニメに対してこれを言うのは酷ってもんでしょうが、展開
早いよ……エマとウィリアムは一気に恋に落ちたというふうに見て取れてしまう。
何度も待ち伏せしているウィリアムという描写はあるものの、時間の経過を
感じられないのが難点なのかな。
エレノアもソッコーでウィリアムに惚れていた……あれは興味のある人、という
描き方なのかな? 私にはもう1ステージ上の描写に見えたので、ペース早っと
思ったのですよ。
なんとか時間の流れの緩やかさを表現できないものかなぁ。なんだかんだと
ブーたれていても、気になっているのはここなんですよね。
原作の場面を挿入しつつオリジナルエピソードだったわけですが、丁寧に
作られており2話目もなかなかでした。このままなら安心して観ていられそうです。
このまま行くと大丈夫だなぁ、とは思うものの、日傘のエピソードはいくら何でもウィリアムがおバカさんすぎるんじゃないの?と思ってしまいました。
演出として、階級差、というものを出そうとしたものだとは理解出来るんですけど、あれじゃあまるでウィリアムも階級差を全く認識していないぼんぼんになってしまいません?
原作のウィリアムは、あそこまでお馬鹿じゃないと思うんですよ(笑)。
●紅葉屋さん
プレゼントにからめた階級差の表現という手はいいのですけど、
アニメだと派手に、それかしつこく現さないと印象に残らないもの
なのかなぁと。
原作だとレースのハンカチ1枚で充分階級差を感じられたものですが、
個人的にはアニメのハンカチエピソードの印象は、そう強くないんですよ。
メディアの違いって大きいよなぁと、今更ながらに痛感してしまいました。
そして派手に表現すると、今回みたいにウィリアムが馬鹿っぽくなって
しまうという。
ウィリアムの馬鹿っぽさは失笑をかうような呆れではなく、抜けている
のだけどどこか許せる、そういうたぐいの馬鹿だと感じているので
残念ではありました。