PS3版ティアーズ・トゥ・ティアラ感想文

 ネタバレなしで感想を書いてみた。

 

PS3版ティアーズ・トゥ・ティアラ 花冠の大地 感想

 PC版ではまりPS3でリメイクってんで、ハードごと発売日にお買い上げしたものの、
進んでは止まっての繰り返しで1年2ヶ月かけてクリアしましたよ。
 危なくアニメ終了に間に合わないところだった。

 基本ストーリーはPC版からの変更はなく、PS3版はPC版で弱かった女性
キャラクターのピックアップと本筋へのからみ、グラフィック&システム一新と
リメイクされたわけですが、最初はキャラデザインの変更に抵抗がありました。
 PC版の絵が上手かったわけではないんです。けれども「Tears to Tiara」という
物語にはあの絵があっていたと思ったんですよ。
 今でもその思いはかわらないのですが、PS3デザインになって垢抜けた
キャラたちも、中身はちゃんと「そのキャラ」していて、中盤の盛り上がりが
くるころにはすっかりなじんでいましたよ。
 
 PS3版は女性キャラの見せ場がちゃんとできていて、キャラクタにずっと
愛着がわきます。モリガンとオクタヴィアの友情は赤枝イベントで泣かされ、
スィールとラスティの妖精二人にも泣かされた。
 妖精二人にとっちゃ、先の大戦はリアルなんだよね。どんな戦争だったのか
どんな意味があったのか、種族間できちんと伝えられている。
 だからなのか、「アロウン様アロウン様、私たちがんばりましたって」ぼろぼろに
なりながらも笑顔でやってくるあたりでブワーっと涙が。
 英雄であるアロウンと一緒に戦えることは名誉であって誇りでもあると。
本当に嬉しいんだなぁと。この健気さがたまらんかったですよ。
 
 リアンノン、アルサル兄妹のイベントも増えていて、兄妹としての絆が
見えてすごく好きだ。”に~ちゃんは、兄様は” の呼び合いがかわいいです。
最初はギャグとしか見えない二人の関係も、終盤にくるととても暖かいものに
感じられるんですよね。
 リアンノンはちゃんと本筋に絡むように設定とイベントが用意されていた
のですが、最後のイベントはちょっと強引という気はした。
 人間と妖精のハーフであることを拒んでいたが、それを受け入れ力解放て。
 リアンノンは「妖精に近い」と言われているキャラで、確かに作中言及されて
いるのだけど、本人それに思い悩むフリが感じられなかったんですよ。
妖精に近いと言われても、そう言われますねーくらいで流しているように見えた。
 だから「妖精と人間のハイブリッドで、妖精の力を持っている自分が怖い」という
印象がなかったのです。
 そこをさんざん悩んでいてくれれば「自分を認める」ということで枷が外れる
イベントにもカタルシスが出て納得もいくんですが……
 そうではなかったので盛り上がれないポイントになってしまいました。

 タリエシンとエポナはPS3版でコンビできあがっちゃったというか、むちゃ
くちゃおいしいイベントてんこ盛りになってました!
 タリエシンが登場してからのミュージックモードは要チェック。クリアした後も
要チェック。
 漫才なじゃれあいしまくりの二人ですが、タリにとってエポナはミューズ
なんだよなぁ。ほっぺすりすりを含めてね(笑) 

 ミルディン、プィル、プリムラ、オガムの過去まわりイベントも大幅に強化され
ていて、こいつがどれもおいしいイベントでまいったまいった。
 プリムラに大人3人がどういうふうに接していたかはPC版では想像するしか
なかったけれど、PS3版にて見たかったシーンが拝めたというかんじ。
 アロウン、プィル、アルサルまわりの男の友情は、PC版からちょっと変化
したかなと。PC版ではアルサルとアロウンの友情が見えにくかったんですよ。
人の言葉を借りますが、PC版アロウンは過去に心を置いてきているきらいが
あった。ここがリアンノンが「アロウン様が隣にいるのにどこか遠い」と感じる
一因でもあったと思うし、アロウンのかっこよさのひとつであったんですよね。
 そこがPS3版では薄まったかなと。そのかわり “プィルの残滓をにじませては
いるものの、別人な” アルサルとの友情を感じられるようになったかと。
 いいところが減ったものの、別の良いところが出てきたというかんじかな。

 ただちょっとなんだなーと思ったのは、原画の描く男性キャラがあまり
かっこよくないところだなぁ。流血シーンもっと気合い入れてくれ。
 このへんは趣味でしかないでしょうが、綺麗すぎるんだよなー。キラキラしてて。
もっと汚れていたほうが男性キャラはかっこいいと思っているので、残念な
ところでした。
 
 システムはオーソドックスながら遊びやすく好感触。ボタンレスポンスも
気持ちがいい。RPGということで最初に難易度設定ができるのも親切です。
 難易度はイージー・ノーマル・ハードの3段階。題目通りの難易度です。
 長いイベントシーンはあるものの、要所々々にセーブ画面が出てくるので
中断しやすいかと思います。SLGパートでも中断がききますんで。

 音楽はPC版からの変更はなく、OPを含む追加曲があったのみ。
 ティアーズ・トゥ・ティアラを構成する要素として音楽のウェイトは大きいので、
変更がなくてよかったなぁ。OP曲は変更になってしまい残念ではありましたが、
新OPもたいへんよい曲なので満足しています。歌詞をふくめてちゃんと
ティアーズ・トゥ・ティアラしているので。これ重要。

 ラストバトル曲にPC版曲(何が流れるのかはやってのお楽しみということで)が
使用されているんですが、あれめっちゃ卑怯な。ありえんくらい盛り上がったわ
 PC版から何回盛り上がりシーン再生してるんだよってなかんじだったので、
PS3リニューアルといえどもさすがに初プレイ時の気持ちと同様の高揚は
得られなかったんですよ。これはもう仕方がないことなんで。
 けれどもラストバトルにしてやられた。曲が流れてキャラたちが立ち上がった
瞬間、負ける気がしなかったんですよ。
 ゲームとしてはそりゃー負けたらクリアできないしゲームオーバーなんですが、
そうではなくてなんかこう、キャラクタが一己の人間としてそこにあったというか。
 こいつら全員の気持ちがそろってて敵と立ち向かえるのなら、どんなことが
あっても大丈夫だよなという、絶対の信頼感を覚えてしまった。
 ゲームキャラですから記号でしかないのに、そうは思えなかったわけですよ。
私はキャラ操作しているプレイヤーではなくなってたんだなぁ。
 気持ちの悪い感想と思われましょうが気にしないw これだけ入れ込める
瞬間があるエンターテイメントはそうないので、ティアーズ・トゥ・ティアラと
出会えたことを感謝したいと思います。

 OPアニメはアレだアレだと言われている意味がようやくわかりました。
確かに「アレ」だわw
 ティアーズ・トゥ・ティアラという物語は2周目をやると場面の意味がわかる
ようになっているのですが(1周目がつまらない、わからないということでは
ないです)、このOPも2周目に気づく仕組みになってんだな。
 
 女性キャラの見所、魅力大幅アップと正しいギャルゲー進化をみせている
ように見えるティアーズ・トゥ・ティアラですが、漢祭りなのも変わっていない
どころか、こちらのイベントもパワーアップしているのでトントンという
ところでしょう(笑)
 一見ギャルゲー濃度の高いSRPGに見えますが罠です。男性ユーザーにも
支持される、男の生き様かっこよさが堪能できるのは相変わらずでした。
 友情ってのがなんとも尊い、キラキラしたものに見えて心が熱くなる。
純粋に燃えゲーとしてお薦めしたい。お薦め「したすぎる」ゲームです。

B002BDTLDQ ティアーズ・トゥ・ティアラ -花冠の大地- アクアプライス2800
アクアプラス 2009-07-16

by G-Tools

 ちなみにPC版の感想。

 ENGINE: Tears to Tiara総合感想文

 物語はなにひとつ変わっていないので、それに関する感想はPC版とほぼ
一緒です。
 ただPC版は18禁ゲームですので、そのあたりの感想に多少の差はあります。

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