蒼天のセレナリア感想文

 ・セレナリア感想文はたいしたことを書いてないのに長くなった。
 毎度のことながら書き残しがあると思いますので、思いだししだい書き加えて
いきます。

 

蒼天のセレナリア感想文

 

蒼天のセレナリア ~What a beautiful world~ 蒼天のセレナリア ~What a beautiful world~

by G-Tools

 アマゾンからパッケージ画像をひっぱってこようと思ったんだけど、画像なし
という哀しい扱いになっていた。そのうち画像も掲載されると思われます。
 以下公式サイトよりあらすじ引用。長いなオイ。

 

 ここではないどこか、今ではないいつか。
 蒸気機械文明華やかなりし既知大陸の辺境都市に、飛空挺を駆る
少女2人組があった。
 夢は、既知大陸の外で無限に広がる『未知世界』の探険と探索。
空のなんでも屋として辺境都市の空を飛ぶ日々を続けていたふたりは、
ある日、既知大陸の半分を支配する強大な軍事国家『帝国』の
辺境部隊と関わってしまう。まったく意図していなかった、最悪の方向で。
 都市の人々から恐れられる帝国辺境軍機動要塞と派手に衝突を繰り
広げ、なおかつ見事に逃げおおせたふたりは、『既知世界(こちら)』と
『未知世界(あちら)』とを隔絶する、超低気圧と海水から成る大壁
「世界の水殻」の向こうへと飛んでしまう。
突き抜け、飛び出すことに成功してしまう。何の交流も情報もない、
噂だけが先行する『未知世界』。そのあちこちをなりゆきや使命感で
駆け回りながら、やがて彼女たちは、妖しく蠢動する帝国と再び
相まみえることになるのだったが・・・。

 これでもか! というくらいスチームパンクジュブナイル冒険活劇でした。
 青臭いセリフ、思考がでてきますがそこがまた気持ちよく、物語も王道です。
パッケージや公式サイトのソフト紹介・OP曲から受ける印象そのままのゲーム
ですので、このへんにピンときた方はやると大吉。
 見知らぬ世界を旅して見たこともない景色に驚いたりとか、次はどんな人に
出会えるのかとか、そういうわくわくが詰まってる。
 街から街への移動はマス目をきった地図の上を1マスずつ移動していく方式で、
移動するごとにランダムイベントが起きたりアイテム探索をしたりできます。
このへんのゲームパートは難しくないので、クリアできずに進めないという事態は
起こりません。逆にいえばゲーム性は皆無なのでもったいなくもある。
 物語は完全に1本道で、たまに出る選択肢はカメラがどのキャラを追っかけるのか
の選択になります。
 男子キャラは全員ボイスなしです。こいつがたいへん残念であるよ。
男子キャラもメインから脇に至るまでみんないい。

 主役はコニーという女の子で、他の女子キャラにシェラとネーエルを配置しています。
全編通してメインに動くのは女子キャラです。そのせいもあってなのか半分乙女ゲー
に足つっこんでると思うんよ?

 なんなのこのツンデレ男落としゲーは。

 なんなのこの不器用バカップルは。

 まずい、まずいんだよ姉さん。このゲームは危険だ。おおおおお……なんという
最終兵器。カプ萌えに身悶えて死ぬ。萌え死ぬね!!!!

 主人公が女子なので、はからずも相方となる男子キャラを落とすという構図に
なります。相手男子(カルベルティ)は目的のためだけに生きている男なので
なかなか視界に入れない。主人公(コニー)も経験値低いんではっきりと自分の
感情と向き合えないものの、生き急ぐカルベルティはコニーの「死なないで。
死なせない」という強い感情に引きずられていくわけです。
 コニーは最初野月まひるさんの声はあわないんじゃないかと思ったんだけど、
終わってみると彼女が適役と確信してしまう。
 サブ女子キャラも負けないラブラブっぷりでなんかもうアレ。危険なくらいラブラブ
えちーにて萌えエロ
。おいちゃんニヤニヤが止まりません! これでもかという
乙女展開に悶死必須。えろす所に突入してもキャラ変貌なし。
 キャラのお相手は完全固定。メインキャラが強姦されることもないのでそのへん
期待しないこと。

 セレナリアは女性キャラを「美人」とか「綺麗」とか、容姿で見ていないんですよね。
作中容姿をほめられるシーンは社交辞令でそれ以外の容姿への言及は、
立ち振る舞いへの印象も含めた「かわいい」「美人」なんですよ。
 相方になる男性キャラも容姿をほめることがあるわけですが、こいつは完全に
中身を対して言っている。「彼女」がこうなる・こう言うから綺麗に見えているわけです。
 エロゲーとしてはちょっと珍しい。気にして遊んでいるわけではないのですが、
初めて出会ったときに美人だとか綺麗な人だとか、そういう描写をするゲームは
多い気がします。

 ゲームを始めて3章目ぐらいまではちびりちびりと進めていたのですが、ここいら
からキャラクター同士の関係性が気になりはじめ、物語も動きをみせてきたせいか、
ゲームを進める手が止まらなくなりました。先が気になって仕方がないんですよ。
 王道ゆえにお約束な展開ではあるものの、壁越えと最終章は素直に燃えた。
ここでマタイオスの株があずき相場のごとく急上昇(笑) かっこえー。
 ラストフライトは状況と音楽が絶妙で、ウルメンシュを駆って飛ぶというのは
こういうことかと最後の最後で理解した。祝福されてんだよね、空に、大気に。
いや、世界にか。そう思ったら涙が出てしまったよ(アホ)
 本気でそう感じるくらい、作品世界に没頭した瞬間でした。
 スピーカーに良い物を使っているのならともかく、そうでないのならぜひとも
ヘッドフォンを使って音楽を聴いてください。PC付属のへっぽこスピーカーでプレイ
していてクリア後ヘッドフォンで音楽を聴いたら、まったく違う音が聞こえてきて驚いた。
OP曲をクリアしたあとに聴くとサビ部分の疾走感がたまらない。
音楽もいいです。お勧め。

 スチームパンクというと機械関係のギミックも魅力的なんだが、同時にここを
作り上げるのが難しい。セレナリアでも深くはつっこまれていないし絵としても明確に
表現されてはいないんだが、あれこれと想像してしまいたくなるぐらいには書き込ま
れていました。
 コニーが飛行艇を操縦するさいの確認がいいんです。実際のパイロットも状況を
説明してしまうのが職業病になるようなのですが、コニーのやっていることはまさ
にそれ。で、そこらへんからスチームパンクの機械的浪漫が伝わってくるのですよ。
 機関カードを出し入れして設定(プログラムをセットすることにあたるのかな?)を
切り替えるシーンは、映像として見てみたかったなぁ。

 「この物語」に必要な情報・設定以外は見せてくれないので、プレイヤーが想像
して補完する作りになっています。そこが楽しくもあるし、開示されるべき設定、
書きこんだほうが盛り上がれそうな心情など説明がほしいと思うこともあり。
 最後らへんは物語も加速してきて詰め込みすぎのきらいもある。物語がのって
くると薄いゲームパートが煩わしくなったり、盛り上がるだけに男子キャラに声が
ないのが残念だったりと、いまいちなところもたくさんあります。美術はもっといい
絵がほしかったし、メカ絵は色々な角度からの絵がほしかった。
 ほんと美術はなぁ……もっと背景に枚数割けたらよかったんだが。見たことも
ない景色を堪能できるって、異境を旅する醍醐味だからね。
 出てくるCGはけっして悪くはないし、カットを使って工夫してあるのですが(ここは
好印象)、場所に対して1枚しかCGを割けてない印象があります。
もっとあれこれと見てみたかったのですよ。

 ですが応援したくなってしまうキャラクターと冒険活劇をきっちり味わうことができて、
終わった今ではやつらとのデートがこれっきりなのが寂しくて仕方がない。
 もっとこの世界を見たい、キャラたちがしゃべって泣いて笑ったところを見ていたい
とずるずると引きずられています。

 コンシューマでいえばグランディアポジションの「蒼天のセレナリア」
 元ネタは「ディファレンス・エンジン」だとメーカーが公言しておりますが、そのへん
わからなくても充分楽しめます。かくいう私も昔読んだはずなんだが何一つ内容を
思い出せず、それでもしっかり楽しめました。
 スチームパンク冒険活劇が好きなら購入をお勧めしたい。

 以下ネタバレ感想文……というか雄叫びと思いねぇ。

 ゲーム発売前から成立カップル固定のゲームっぽいとは思っていて、AngelBallet
でそのへんいいツボ持ってると感じた桜井光さんがシナリオだったこともあり
淡く期待はしていたが、正直ここまでカプ萌えしようとは思いもせなんだ。

 体験版でのネーエルはかなりクールだったので、彼女とマタイオスはいい
かんじになるのかどうかわからなかったんだが、本編でのネーエルの献身っぷりが
見え隠れし始めたあたりからスイッチ入った感がある。
 そんなわけですからえろーすシーンが始まったときはライアーグッジョブ!! と
ガッツポーズだったんだが……だが……あああああああ、過去の悪行を思い
出さずにはおれない構図
で小生ノックアウト。
 過去に描いた同人誌で似たような構図を描いていて、似たような構図だけ
だったらよかったんだがキャラ配置も軍隊の上官とその副官という、マタイオスと
ネーエルそのもの。ええ、ええ、上官は副官のことを愛しく思っていて副官は口に
こそだせないけれど、身を挺するほど上官のことを尊敬し愛しているわけなんで
して……なんだろうなぁ、男性上司がリードしていくこの手のカプにおける
いちゃいちゃ構図ってのは、背後からの抱きしめなんですかね?
あまりのかぶりっぷりに何かの呪いかと思ったさ(笑)
 えー私が描いたのは全年齢対象でしたよ? 子供が見ちゃなんねぇところは
コマの外にだしましたので(笑)

 ネーエルは潜入服姿が出てきたときもかわえーと思ったんだけど、エロ所の
かわいさはずるいくらいだ。ボイス担当がかわしまりのさんでよかったと心底
思った。声からして色っぺーのなんのってもう。かわしまさんは吐息の演技が
いいんだよね。そこに熱が籠もってるって感じがしてかわしま姉さんブラボー!
状態になる(笑)
 ネーエルは全裸なのにマタイオスは服を着ているあたりがエロいんだ。
余裕のある上官と部下というカプにおいてはお約束ともいうべき構図で、
絵の指定をした方はわかっていらっしゃる。重要なんですそこが。
 男子キャラの余裕が見てとれるじゃないですか。本気ださなくとも彼女を昇天
させますよってことなんだけど、精神的には彼女に囚われてしまってマジですって
ところが萌えどころ。
 そんな余裕綽々のマタイオスなんだけど、一瞬だけ眉根を寄せるんだよなー。
あれが憎い。最初から最後まで余裕綽々で通してもいいはずなのに、細かく
表情差分ま作ってあるのは誰のこだわりなんだろうか。でかした。
 
 あとネーエルが言葉を正確にカウントしていて、できる副官の仕事っぷりは
こんなところでも発揮されてしまうのかと笑ってしまったものの、その後の
テキストで萌えに転じる。ネーエルが訥々とキスの回数をカウントする部分は
かわしまさんの演技と相まって、嬉しすぎてせつないっちゅう感じが出ていました。

 レヴィは漢だな。ちっこくて細くて頭でっかちの碩学卵だけど、シェラを清濁
あわせて惚れ込んでる。
 シェラがいじらしいんだよ。いつもうわべだけの関係しか結んでいないから、
相手の本気を受け止めるのが怖いみたいなんですよね。私はこんなにだらしない
女の子なんですよ、あなたが思っているような子ではないんですよって、レヴィを
試すように見せつける。涙こそみせていないけど心は半泣きだよなぁと。
 それでもいいよと受け止めちゃうあたり、ちみっこが一番包容力を見せていた。
 シェラがこの先1年、2年、10年とレヴィにテストという名の許しを請い続け、
それでもレヴィが引かなかったら……コニーに相談しなくちゃと独白するあたりが
とても好きだ。シェラのいじらしさとかコニーとの仲良しっぷりが伺えて大好きです。

 でもってはいはい、メインカプのカルベルティ×コニーですよ。
 二人して不器用さんツンデレバカップルというかんじで、必要性があって身体を
繋いだんだという言い訳しまくり逃げまくり。まぁそこがいいわけだが。
 セリフを読んでいるとどう見てもお互い惚れてます気になってます。どちらが先に
覚悟完了して告白するかもめっちゃ気になる。
 鴉片イベントがあったから省略されてんのかとも思ったものの、この二人のえろす
イベントは最初から最後までをきっちり書いたほうが萌え度は高かったんじゃない
かと思うのですよ。ちゅーから合体までの間が抜けてますよ先生!(笑)
 予想に反してカルベルティが初心者だったんだが(そこがまた萌える)、二人して
ぎくしゃくしているのがまたいい。暗転している最中に二人して素に戻っている
ところはいいね。

 ラブっちい場面になるとテンパリぎみのコニーだが、最後できっちり復讐していた
のには笑ってしまいました。正気になったカルベルティにはかなり効いたと思われる(笑)

 しかしなんつうかまぁ、コニーの巨乳は宝の持ち腐れで終わったエロゲー
だったな。あんなにえろい身体してんのにカルの野郎がスルーしやがるので!
 まぁなんだ、エロシーンでキャラ変貌というエロゲワールドのお約束は外して
いるため、そうならざるを得ないわけではあるのだが。
 萌えエロでお腹は満たされたものの、言い訳しようがない二度目のえちーで
満腹になりたいカップルでした。いやもうほんと、桜井さんやってくれんかなぁ。
嫉妬イベントとか色々できるもんさ。
 
 カップル雑感を書くつもりが書き上がってみればエロまわりへの言及ばかりで
かなりアレな内容になってしまいました。申し訳ない。

 以下雑感をつらつらと。

 ・交易イベントはアイテムを渡しておしまいではなく、強制イベントがあったり
CGがあったりしてもよかったかと。

 ・シェラの「アイマム!」「アイマ!」が癖になりそうです。彼女のこの返答が
ないと飛んでるって気がしなくなりました。

 ・正気に戻ったカルにも見せ場が欲しかったなぁと。破片からコニーを守るために
剣を抜いたものの、ラスト大詰めのところですぐにシーンが切り替わってしまう
せいか溜めがない。ラストフライトで途中正気を失うコニーを元に戻すとどめは、
カルベルティでもよかったんじゃないかと思ってのですよ。
 レヴィがシェラを支えて機関カードを動かすところも描写がほしかったです。
 ただここで「男女二人の絆」を書いてしまうと、コニーとシェラが「パートナー」
であるという部分が薄くはなるんだよね。女子二人でやってきましたがそれぞれ
いい人できたんで、今度からはこの人がパートナーですって印象が生まれてしまう。
 リアルではそうなってしまうものですが、セレナリアでそれは見たくはないのですよ。
男子キャラに見せ場がほしくもあり、ないことに安堵してみたり……

 ・エイダはかっこいい女性だなぁと。難癖持ちだが自分の価値観を持っていて
そこが気持ちいい。

 ・ラストで悪役以外誰も死なずに大円団というのはよかったのですが、ルビーマン
とその被害を受けた人たちが和んでいるのはどうもピンとこず。
 ネオスには笑ったんだけどな。

 ・ムムリクはかっこいい狼キャラでした。腕についている武器をもっとよく見て
みたかったんだけど、資料集とか出ないもんですかねぇ。
 いやもうほんと、資料集ほしいよこれは。護国卿さんの絵も素敵ですしね。

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