ひとふた奇譚感想

 「ひとふた奇譚」が春の修正パッチ祭になっていた。
 発売日から連日修正パッチの配布が行われるものの、最新版を入れれば問題が
修正されるかとおもいきや、入れたら入れたで新しい問題が出てくるというブツ。
 ゲームが進められなくなるとかの致命的な問題は1本目の配布パッチで修正されて
いるのですが、その後はCGが登録されないやらの地味に痛いところなのが
しょーもなさを演出しております。
 1日2回ほど配布があってそのたびに修正状況が一進一退するので、なんだか
楽しくなってきてしまいましたよw
 そんな祭もようやく終了したのか、現在配布されている1.30fでファイナルのようです。
 ゲームを始める方はパッチをあててからプレイをはじめるが大吉。
 私のひとふたデータでは、1周目終了して見たこともないCGが何枚かギャラリー登録
されていました。
 私のデータは修正パッチ祭で配布されたパッチを全てあててるからなぁ。
 クリアしたのにCG鑑賞コーナーに登録されないものもあるし……始める前に
最初から1.30fパッチをあてていればこういうことはないのかもしれません。


 ※パッチは修正&演出強化となっており、パッチをあてたことで出てくるCGも
あるようです。このCGはCG鑑賞コーナーに収録されないっぽく。


 と、いうようなことを書いていたら全ルート終了したので感想を書いてみる。

 ひとふた奇譚 2012年3月30日発売予定!

 発売から1週間経たずに終わったということからお察し下さいな短さでした。
 全ルート終了して24時間弱ぐらいでしょうか。きっちりボイスを聞いていたら
もう少しかかるかもしれません。

 ひとつの物語を攻略キャラ視点で語られるというシナリオです。
 主人公が肩入れするキャラ=ルートキャラが活躍し、登場するキャラや展開の
変化はありますが、キャラクターの立ち位置(物語にどう関わっていくか)が変化する
ことはありません。
 キャラごとに開示される情報は異なり、ルートに入らないと何者なのかは
わからないようになっています。
 複数ライターということで不安はあったのですが、情報の齟齬などはなくそつなく
まとまっているように思えました。


 問題はシナリオに起伏が乏しいところでしょうか。
 1ルート中、共通ルートとキャラ別ルートの割合が半々な印象で、共通ルートが
長いと感じてしまいます。
 物語に起伏が乏しく平坦なため、シナリオやプレイ時間の短さが印象に残って
しまうんですよね。緩急と溜め、そしてカタルシスはほしいところ。
 盛り上がり所は用意されているものの、シーンにろくなCGはなく淡々とした
文章のみで進行してしまうので盛り上がりきれないのですよ。
 文章のみだからダメということはなく、そこできっちり盛り上がれるだけの
文章になっていればよかったのですが、そこが淡々としているのでどうにも。
 まったく引き込まれないというわけではないのですが……色々と惜しい。


 先に述べたようにプレイ時間も25時間をきっている短さなのですが、時間数だけ
見るのならプレイしやすくてよかったです。
 30時間ぐらいで終わらせられるゲームがベスト。
 短い時間できっちり物語られていて面白い。こういうのが理想なのですが、
ひとふたは緩急が弱いのでただ「短いだけ」になってしまったのがもったい
なかったのですよ。


 キャラとの恋愛部分はイチャコラ少なめ。
 これを一般的には甘さがないというのでしょうか? ニヤニヤするようなシーンや
展開はあまりなく、キャラによっては告白手前で終わってしまうキャラもいます。
なんという寸止め(笑)
 微エロもなく微笑ましい恋愛になっています。派手さはないもののほのぼのとして
いる恋愛模様は、作中の雰囲気や絵柄とマッチしていますね。


 キャラクターに声はあっていて、ストレスなく聞けます。
 左坤がいいキャラしていてムードメーカーです。いじられているのが最高に
輝くキャラで、掛け合いが面白い。
 二つ尾はこのゲームで一番の萌えキャラだと断言する。かわいい。とにかく
かわいい!
 OPでピン紹介シーンがあるにもかかわらず、全員集合画像にいないキャラが
1名いるのですが、隠しキャラ扱いといえましょう。おまけキャラなので期待は
しないほうが大吉。


 プレイ順は 巽先生→左坤→乾→芥離先生→艮藤 でした。
 どのキャラから初めても問題はありませんが、「なんだってー!」を味わうのなら
巽先生がトップバッター推奨。「なんだってー!」てまんまとなった(笑)
そして芥離先生は巽先生より後が大吉。
 隠しキャラ扱いの1名はおそらく左坤ルートが終わらないと出てこないかと。


 CG枚数は少ないです。
 差分なしで44枚攻略キャラ6人で共通ルートCGもあるため寂しいところですね。
 こちらも平凡なCGしかなく、もうちょっと迫力のあるCGやグっとくるCGを見た
かったなぁと。
 ただカメラを引いたCGがあるのはよかった。乙女ゲーに限らずギャルゲエロゲは
キャラクターのアップ絵ばかりで飽きてくるんですよ。


 音楽はこれといって印象に残るのはなく。
 場の空気を邪魔するようなBGMではないので問題ないとはいえる。
 バトルシーンの音楽やOPED曲はよかったです。ED曲はとくに良くてお気に入り。


 物語も平坦でプレイ時間も短くCG枚数は少ない。これでフルプライスはないよなー
と思える作品でした。
 とはいえキャラや絵、なによりも雰囲気がとてもよく、その点は気に入っています。
 なんだか品があるんですよね。このゲームの特徴だと思います。
 シナリオ増量して起伏ついてCG追加された完全版が出たら買ってしまうなぁと
いうくらいには気に入っているんですよ。



 

B004WYV2M0 ひとふた奇譚
Profitrolle 2012-03-30

by G-Tools



 以下はキャラ別雑感。ネタバレしています。

 <乾>
 裏表ありすぎだろお前(笑)
 作中でもネタにされていましたが、猫かぶりが早業過ぎて芸域にまで達している。
 彼のルートのみ兄貴が出てきます。作中眼鏡枠は芥離先生だけかと思っていたら、
和服眼鏡兄貴が出てきてコーヒーふいた。
 兄貴が巽先生に説教され始めるシーンは面白かったです。
 そういや左坤の先輩にあたる亮子先生に対し誰かに似ているというのですが、
これは誰のことなんだろう? 一楼兄ちゃんじゃないですよね?

 <左坤>
 人懐っこいスキンシップ過多のムードメーカー。
 いじられてこそ光るキャラでした。彼が出てくると掛け合いが面白くなるし
とにかく賑やか。こんな良キャラだとは思いもしませんでした。
 このゲーム内の初心枠で、あれこれとニヤニヤさせてもらいました。
 主人公ちゃんをおんぶしてキュって抱きつかれたときの反応をみるに、嬉しかった
のと背中にあたった主人公ちゃんの柔らかいなにかに気づいちゃったに違いないw
 なんらかの能力所持者だなーと思ったら、祓魔師とか言い出して「お前もか!」
状態になった。

 <巽先生>
 左坤からお父さん呼ばわりされてて笑った。
 ちょっとジジ臭いところとがいいんじゃないか。包容力があるからなんだろうなぁ。
 最初に巽先生ルートをやった私は「お前もか!!」とつっこみましたよ。
 先生まで退魔師でーす! なんて言い出すとは思わなかったわ。そしてよもやの
全員術者
に呆然とするw
 このルートは告白までさせてもらえないとか「よもや」パート2が存在する。
 それはどうなんだと思いつつも、巽先生らしい気もして嫌いじゃなかったりします。
 ラストバトルは巽先生によって決着をつけてもらいたかったなぁ。先生あんまいい
ところなかったです……
 おっさん(ではないけれどちょいジジ臭い)と少女では、少女に振り回される
おっさんもいいのですが、おっさんの天然行動に振り回される少女もいいよね!って
このルートで開眼しました。
 あれだよあれ。左坤と近いんだよ巽先生。なんの気なしだったり心配してだったりの
純粋な行為なんだけど、受けてるこっちはギャーギャー言っちゃうっていうね。

 <芥離先生>
 陰陽物(符とか術とか使って妖がでてくる物)の攻略キャラには珍しい、理系の
先生キャラ。
 ちゃんと現実が見えているキャラで、主人公を甘やかさないところがよかったです。
 巽先生とは幼なじみ?でツーカーの仲なんですが、芥離先生が巽先生の補佐役
やってる理由とか思い入れとかが強すぎてですね、恋敵が巽先生になりかけました。
 それも終盤で「正臣のために命を捨ててもかまわない」とか言い出したときは
もうね、お前は何ゲーの攻略キャラなのかと問い詰めたくなりましたよw
 終わってみればそんなことはないどころか、ラスト展開にニヤニヤしたんですけどね!
 「先生でいてほしいですか?」って聞くのがもうずるいんですよ! 先生辞めても
いいですって言ったらソッコーで手を出す気満々なのか。
 でも「先生でいて」って言われるだろうなーって予測つけてる。あえて主人公に
選ばせるのが大人ずるくってねぇ。
 先生ズはこういうところがあって実にいい。

 <艮藤くん>
 お前も術(以下略)ではあるものの、他のキャラとはちょっと違った立ち位置で
引き込まれ度No1でした。
 艮藤のいう「お祖父ちゃん」と乾のいう「お祖父ちゃん」が同じだとわかったときの
「これどーなんの?!」感は強い。
 どのルートも乾祖父ちゃんは悪者臭出してますが、艮藤ルートはよりクズで
光ってましたわ。

 <坎宮トア&二つ尾>
 トアは乙女ゲーによくいる俺様枠。
 隠しキャラポジションなのでイベントCGも1枚しかなく、基本左坤ルート展開の別視点
というところなのでイベント数も少なかったなぁ。
 二つ尾は作中きっての萌えキャラだと思います。ジト目の表情よし! 食いしん坊よし!
で本当にかわいい。涙浮かべてチョコバー食べている姿はどんだけ好きなんだと
ツッコミ入れたくなります(笑) 
 十二の書の番人らしくジジイキャラなのもよかった。
 十二の住人たちにも個性があって、このへんルートごとに焦点があたるキャラが
変わってもよかったなぁと。

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